紅茶ベアーです。
将来、東京都内に紅茶専門店を開くために、日々勉強と研究を重ねています。
- もっと紅茶を美味しく淹れたい
- 紅茶の淹れ方はわかったものの、なぜそうするのかがピンとこない
- 毎日紅茶を淹れているが、味が安定しない
本記事では、そういった悩みごとを解決します。
紅茶歴13年目となった、紅茶マニアが経験をもとに、解説しています。
紅茶の淹れ方は、実は色々あります。
「湯出し」「煮出し」「水出し」で淹れることが一般的ですが、「湯出し」を応用した「フローティー」という特殊な淹れ方もあります。
それぞれ特長があるので、最終的には、適した淹れ方を選べるようになるとよいかもしれません。
まずは「湯出し」の淹れ方から覚えましょう。
「湯出し」は、大きく分けて、
- ティーポットを使って、茶葉から淹れるか
- ティーバッグから淹れるか
になります。
今回は、ティーポットを使って、茶葉から淹れる方法に絞って、解説しています。歴史的にみても、最も多く語られている淹れ方です。
紅茶の淹れ方の基本をおさらいしつつ、”従来の淹れ方”を少し見方を変えて、簡潔にまとめました。
加えて、今だからこそできる、”紅茶2.0の淹れ方”を公開しました。
本記事を読めば、紅茶の淹れ方で大切なことが明確になり、安定して美味しい紅茶を淹れられるでしょう。
美味しい紅茶を飲みながら、リラックスした毎日を過ごせることを祈っています。
紅茶の淹れ方の基本「ゴールデンルール」
紅茶を美味しく淹れるためには、どうすればよいのでしょうか?
ゴールデンルールに従って、紅茶を淹れるとよいでしょう。
ちなみに、ゴールデンルールとは、本来、茶葉がもつ香り・味・色を引き出すためのルールのことです。実は、イギリス版とアメリカ版があります。
イギリス版
「ビートン夫人の家政の本(The Book of Household Management)」がもとに生まれた、「5つのゴールデンルール(The Five Golden Rules)」を紹介します。
- 良質な茶葉を使う
- ティーポットを温める
- 茶葉をはかる
- 新鮮なお湯を使う
- 蒸らす
アメリカ版
「紅茶の全て(All About Tea)」を紹介します。
- 茶葉を選ぶ
- ティーポットを使う
- 茶葉の分量をティースプーンで正確にはかる
- 沸騰直後の熱湯を注ぐ
- 蓋をして、しっかり蒸らす
両者とも似たようなことを言っているので、紅茶を美味しく淹れるうえで、大切なことは同じだといえるでしょう。
紅茶の淹れ方の基本を【モノ】と【コト】に分けてみた
紅茶の淹れ方の基本を、「モノ」と「コト」に分けてみます。具体的には、”用意するもの”と”大切なこと”です。
すると、”大切なこと”が明確になります。
【モノ】用意するものは3つ
用意するものは3つです。
- よい茶葉
- 新鮮な水
- 適した道具
よい茶葉の見つけ方や、適した道具の探し方については、別の記事で解説します。
水については、生まれ育った土地の水を使うのが一番適していると考えています。なので、日本人にとっては、軟水がよいでしょう。日本は水質も良いので、沸騰させた水道水でよいです。気になる人は、浄水してから、使いましょう。
【コト】大切なことは3つ
大切なことは3つです。
- 計量(はかる)
- 茶葉の重さを量る
- 水の量を計る
- 時間管理(まもる)
- 蒸らす時間を計る
- 温度管理(たもつ)
- 適切な温度を保つ
大切なことに注目すると、紅茶の淹れ方で、なぜそうするのかが、分かりやすくなります。
リモートワークや自粛などの影響で、おうちじかんが増えてきました。
「自宅でも美味しい珈琲を飲みたい」というニーズが顕著になったこともあり、珈琲関連の商品を見かける機会が多くなりました。
一方で、紅茶関連の商品は、まだまだ伸びしろがたっぷりだと感じています。
このような背景もあり、紅茶ベアー自身も、改めて、紅茶道具を見直し、淹れ方を改良しました。
「自宅でも美味しい紅茶を飲みたい」というニーズもあるかと思うので、今回、改良した淹れ方を公開します。
紅茶の淹れ方の基本は守りつつも、今の時代だからこそできる、美味しい紅茶の淹れ方を考えました。
3つの道具を積極的に活用すれば、紅茶の淹れ方が3倍上手くなるかもしれません。
紅茶2.0とは?
紅茶ベアーが提唱する概念です。
紅茶2.0:デジタルの紅茶道具を使って、紅茶を淹れる時代
紅茶2.0の淹れ方を公開
紅茶2.0の淹れ方を紹介していきますが、まずは準備するものから見ていきましょう。その後、淹れ方を紹介するとともに、大切なことと、なぜそうするのかという疑問を解決していきます。
準備
従来からある、2つのティーポットを使った淹れ方をしています。少し違うのは、デジタル三種の神器を使っています。
- 抽出用ティーポット
- 保温用ティーポット ※1
- ティーカップ
- 茶葉
- 水
- ティーコジー ※2
- 茶こし
- 計量カップ
※1「別の容器(例:ビーカー+シリコンカップカバー)」でも代替可
※2 「ふきんやタオル」でも代替可
- 温度管理機能付きの電気ケトル ※3
- 高精度・精密のデジタルスケール
- ストップウォッチ ※4
※3「クッキング温度計+やかん」でも代替可
※4 「スマホのアプリ」でも代替可
\ ガラス製&1度刻みが決め手で、購入しました /
\ 珈琲も兼用したいなら、こちらもおすすめ! /
\ 使い捨てですが、定評のあるクッキング温度計です /
\ コンパクトで気に入っていますが、蓋が外しにくすぎる /
\ 1g刻みより、0.1gや0.01刻みの方が実用的です /
\ 可愛いデザインなので、愛用してます /
淹れ方
アナログな淹れ方(紅茶1.0の淹れ方)とデジタルな淹れ方(紅茶2.0の淹れ方)を並べています。アナログからデジタルへシフトさせるのがポイントです。
※試行錯誤しており、現時点でのベストな淹れ方を公開しています。
- お湯を沸かす【温度管理】
- アナログ:やかんで沸かす。表面がボコボコと泡立つくらいのお湯を作る
- デジタル:電気ケトルで沸かす。100℃のお湯が正確に作れる
- 茶葉を量る【計量】
- アナログ:ティースプーンで量る
- デジタル:精密デジタルスケールを使い、正確に量る
- 抽出用ティーポットを温める【温度管理】
- お湯を注いで、ポットを温める。ポットのお湯は捨てきる
- 抽出用ティーポットに茶葉を入れる【時間管理】
- 茶葉が先のほうが淹れやすい
- 抽出用ティーポットにお湯を注ぐ【計量、温度管理】
- お湯の量は正確に計り、勢いよく注ぐ
- 抽出用ティーポットにティーコジーを被せる【温度管理】
- できるだけ熱を逃さない
- 蒸らす【時間管理】
- アナログ:砂時計が落ちるまで待つ
- デジタル:ストップウォッチで、正確に計る
- 保温用ティーポットを温める【温度管理】
- お湯を注いで、ポットを温める。ポットのお湯は捨てきる
- 抽出用ティーポットから保温用ティーポットへ移す【時間管理】
- 網目の細かい茶こしを使って、完全に抽出を止める
- ティーカップに注ぐ【温度管理】
- 飲むのに適した温度(60〜70℃)で飲める
- 保温用ティーポットにもティーコジーを被せる【温度管理】
- 2杯目以降も、飲むのに適した温度で飲める
ポイント解説
紅茶2.0の淹れ方を参考に、なぜそうするのかを解説していきます。
① お湯を沸かす【温度管理】
紅茶の茶葉は、100℃で淹れることを勧められてきましたが、実は、茶葉によって、適切な温度が違います。
昔は、一律100℃がよいとされてましたが、現在は、茶葉によって、溶け出す成分が異なるので、必ずしも100℃がよいとは限りません。
やかんや鍋などで、お湯を沸かしていると、100℃は作れるかもしれませんが、98℃や93℃のお湯を作るには、技術が必要です。
クッキング温度計を使って、実際の温度を測りながら、技術を高めていくこともできますが、習得には時間がかかります。
最近は、1℃単位で調整できる温度管理機能付きの電子ケトルも登場してきたので、使わない理由が見当たりません。
電気ケトルを使うと、適切な温度のお湯を作れる
② 茶葉を量る【計量】
人数分で、ティースプーン何杯と書かれていることが多いが、人間なので、どうしてもばらついてします。経験豊富な方でも、0.1g単位で揃えることは難しいです。
0.1g単位で量れる精密デジタルスケールを使うと、感覚ではなく、数値が見えるので、ばらつきがなくなります。
③ 抽出用ティーポットを温める【温度管理】
100℃のお湯を作っても、抽出用ポットが冷えていると、温度が下がってしまいます。ポットを温めるというのは、温度を下げないようにする工夫です。
背景には、高温の方が、茶葉に備わった渋み、旨み、香りを引き出せることがあります。
④ 抽出用ティーポットに茶葉を入れる【時間管理】
先に、茶葉を入れてるのも理由があります。結論からいうと、ベストな抽出時間を守りたいからです。
お湯を入れたところに、茶葉を入れると、茶葉が浮いてしまい、抽出が遅くなります。なので、ベストな抽出時間を守っていても、味が薄いということが起こります。
茶葉を先に淹れたほうが、味を安定させやすいです。
⑤ 抽出用ティーポットにお湯を注ぐ【計量、温度管理】
茶葉を量るのと同じくらい、お湯の量を正確に計ることが大切です。紅茶の味は、茶葉とお湯の量と、抽出時間で決まるからです。
お湯の正確に量ることは大切ですが、慎重になりすぎるのも駄目です。お湯の温度が下がるので、勢いよく注ぐとよいでしょう。
加えて、直接、お湯を茶葉に当てると、必要以上に渋みが出てしまいます。茶葉に当てずに、うまく注ぎましょう。
お湯を注ぐ際には、お湯の量の正確さと、スピードが求められているので、水量のメモリが見える、電気ケトルがあると、便利かもしれません。
⑥ 抽出用ティーポットにティーコジーを被せる【温度管理】
適切な温度を保つために、温度を下げないようにする工夫です。
ティーコジー(ポットカバー)は、飲むために使われることも多いですが、淹れるためにも使えます。ティーポットにお湯を注いだら、すぐに被せましょう。
ちなみに、できるだけ熱を逃したくないためなので、ふきんやタオルを被せせても、同じ効果が期待できます。
テーブルが冷たい場合は、ティーポットとテーブルの間に、鍋敷きやコースターを敷いて、熱を逃さないようにしましょう。
⑦ 蒸らす【時間管理】
ベストな抽出時間を守りましょう。はじめは、お店の人が提案している、抽出時間を守ることが重要です。1秒違うだけで、味が変わります。
砂時計だと、雰囲気は楽しめますが、秒単位での時間管理は難しいので、実用性に欠けます。時計を使いましょう。
時計にも、アナログ時計、デジタル時計、キッチンタイマー、ストップウォッチがありますが、ストップウォッチをおすすめしています。
アナログ時計、デジタル時計だと、何時何分何秒から始めて、何秒経ったのか忘れてします可能性があります。
キッチンタイマーだと、音で知らせてくれるので、忘れずに、きちんと計ることができます。ただ、抽出した後、何秒経ったかがわかりません。
一方、ストップウォッチは、きちんと時間が計れて、何秒経ったかがわかりやすいです。
抽出した後の秒数がわかることで、ベストな抽出時間の味と、+10秒後の味、+30秒後の味などを比較することができます。そうすることにより、自分なりのベストな抽出時間を見つけることができるでしょう。
また、抽出後の時間を計っておくことにより、今の温度を知る手がかりになります。
1秒単位できちんと時間を計りましょう。
⑧保温用ティーポットを温める【温度管理】
蒸らしている間に、保温用ティーポットを温めておきましょう。
③と同じく、保温用ティーポットが冷えていると、温度が下がってしまいます。ポットを温めるというのは、温度を下げないようにする工夫です。
飲むのに適した温度を保つために、行います。
抽出するティーポットの形は、丸いものがよいですが、保温するティーポットの形は、何でも構いません。なので、ティーポットを2つ持っていない場合は、別の容器でも構いません。ただし、陶器かガラスの素材の器がよいでしょう。
⑨抽出用ティーポットから保温用ティーポットへ移す【時間管理】
ピークの抽出時間で、抽出をストップさせるため、別の容器に移しています。
その際には、必ず、網目の細かい茶こしを使ってください。細かい茶葉が入っていると、知らないうちに濃くなっていきます。
ゴールデンドロップと呼ばれる、最後の一滴まで、注ぎきります。一番濃く抽出している最後の一滴が合わさることにより、味わい、香り、渋みが整います。
また、抽出をストップさせることにより、2煎目も楽しめる可能性があります。
※蒸らした後、軽く混ぜると書いてあることもありますが、この方法では、ポットへ移しかえる際に混ざるので、必要ありません。
⑩ ティーカップに注ぐ【温度管理】
ティーカップに注いだら、完成です。紅茶の味を最も楽しめる温度は、60〜70℃と言われています。
美味しく飲める温度で、紅茶を味わい尽くしましょう。
⑪ 保温用ティーポットにもティーコジーを被せる【温度管理】
温度を下げないようにするためです。2杯目、3杯目も、飲むのに適した温度で楽しめるようにする工夫です。
保温用ティーポットがなければ、シリコンカップカバー+ビーカーでも代用できます。300〜500mlくらいのサイズのものがよいでしょう。ちなみに、ダイソーで買った、200円の計量ビーカーと100円のシリコンカップカバーに、ふきんを被せています。
さいごに
大切なことを明確にし、なぜそうするのかをかなり詳しく解説しました。理由付きで、紅茶の淹れ方を説明しているのは、あまりないので、レア情報かもしれません。
紅茶ベアー自身も、日々勉強と研究を重ねて精進していきます。試してみたいことが山積みなので、まだまだ発見があるとワクワクしています。
大切なことを意識しながら、デジタル三種の神器を駆使して、より紅茶を楽しんでください。
それでは、いいティータイムを!