茶葉

紅茶の茶葉の種類について知る【できるだけわかりやすく解説】

茶葉

紅茶ベアーです。

美味しい紅茶に出会うため、日々活動中しています。

紅茶の茶葉の種類について知りたい
紅茶の茶葉の種類について、できるだけわかりやすく解説していきます。

紅茶は、大きく分けて2種類あります

紅茶は、「チャノキ」という植物から作られています。
チャノキにも種類があり、大きく分けて「中国種」と「インド種(アッサム種)」の2種類があります。
※近年では、ハイブリットした、クローナル種も評価されてきました

中国種とインド種(アッサム種)の特長は?

中国種インド種(アッサム種)
緑茶向き紅茶向き
渋みが弱い渋みが強い
水色は薄い水色が濃い
寒さに強い寒さに弱い
中国、日本、トルコ、インドやスリランカの高地(寒冷地) 等インド、スリランカ、インドネシア、アフリカ 等
ダージリン、ヌワラエリア、キームンが有名アッサム、ニルギリが有名

アッサム種の方が、紅茶に向いています。ただし、寒さに弱いので、気候が安定している地域(低地)で栽培されています。
一方、中国種は、寒さに強いという特長から、寒暖差が激しい地域(高地)で栽培されています。

 

「中国種」は、緑茶向き。寒さに強いので、寒暖差が激しい高地でも栽培できる。
「インド種(アッサム種)」は、紅茶向き。寒さに弱いので、栽培地が制限される。
詳しくみていく前に、全体像を把握していきしょう♪
紅茶は、そもそもどこの国で作られているのでしょうか?

紅茶は、どこの国で作られているの?

世界地図

紅茶は、インド、ケニア、スリランカを中心に、世界30ヵ国以上で作られています。

紅茶の生産量の多い国としては、

  • インド
  • ケニア
  • スリランカ
  • インドネシア
  • 中国

が挙げられます。

ちなみに、インドが最も多く、ケニア、スリランカの生産量は均衡しています。

中でも、良質な紅茶が生産される地域があります。その地域は、北回帰線と赤道付近の間に集まっています。
これを「ティーベルト」と呼ばれています。

 

良質の紅茶は、主に「ティーベルト」で作られている。

 

それでは、紅茶を国ごとに詳しくみていきます。

紅茶の茶葉の種類の特徴は?

茶葉の種類

紅茶の茶葉の種類はたくさんあります。基本的には、産地によって、茶葉の種類の特徴があります。

ここでいう産地は、国ではなく、地域となります。もっといえば、茶園ごとに特徴がはっきり現れてきます。

 

茶葉の種類の特徴は、基本的には、産地(地域)によって決まる。

 

産地別に、茶葉の特徴をみていきます。

インド

ダージリン

ダージリンは、世界三大紅茶の一つです。「紅茶のシャンパン」とも言われています。

ダージリン地区は、ヒマラヤの山岳地帯なので、標高が高く、険しい斜面です。
寒暖差が激しい地域で育つ茶葉は、個性的になります。

特に、セカンドフラッシュ(夏摘み)は、華やかな味が口の中に広がります。

ダージリンの市場の価格が高いのは、ブランドバリューもあることながら、過酷な地域で栽培しており、生産コストや、流通コストがかかっているのも一つの要因です。


水色:

香り:

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アッサム

アッサム地区は、広大な平地で、1年のうち、10ヶ月も、茶摘みできる恵まれた地域です。
紅茶向きのアッサム種をたくさん栽培することができます。ちなみに、インドの紅茶の生産量の約半数が、アッサム地区で作られています。

雨や湿った季節風の影響を受け、水分量が多い環境下で育った茶葉は、独特の渋みを生み出します。


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ニルギリ

ニルギリ地区は、年中通して、比較的温暖な地域です。避暑地としても人気があります。

スリランカと気候が似ていることから、セイロンティーに近い茶葉となります。
渋みはあるものの、爽やかで飲みやすい味です。


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その他の地域だと、シッキム、ドアーズなどがあります。

 

スリランカ

ウバ

ウバは、世界三大紅茶の一つです。

高産地で栽培され、強い渋みと水色が特徴です。

ミルクにも負けない渋みは、ミルクティーに向いています。


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ウダプセラワ

ウバとヌワラエリアの中間に位置し、高産地で栽培されます。

茶葉の特徴は、ヌワラエリアに近いです。


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ヌワラエリア

標高が最も高い高産地で栽培されています。

茶葉の特徴は、緑茶に似ており、水色は薄い。心地よい渋みと、キレのある爽快感があります。

ちなみに、午後の紅茶のレモンティーでも使われている茶葉です。


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ディンブラ

中産地で栽培されています。1年中通して、安定した品質の茶葉を作ることができます。

バランスの良い味わいです。

ちなみに、午後の紅茶のストレートティーで使われている茶葉です。


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キャンディ

低産地から中産地で栽培されています。

茶葉の特徴は、渋みが少なく、飲みやすいです。

冷やしても、水色が濁らないため、アイスティーに向いています。
また、ほとんどの茶葉は、ブレンド用として使用されます。


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ルフナ

低地産で栽培されており、他の地域に比べ、気温が高い地域です。

茶葉の特徴は、発酵が強くなり、水色は濃くなっています。


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サバラガムワ

ルフナと同じで、低地産で栽培されています。

茶葉の特徴は、ルフナに似ています。

個人農園など小規模な生産者が多いので、多くは流通しません。


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中国

紅茶ではなく、緑茶として飲まれることが多い。

キームン(キーマン)

キームンは、世界三大紅茶の一つです。

茶葉の特長は、渋みが少なく、花のような、エキゾチックな香りがあります。
また、スモーキーさも感じます。


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ラプサンスーチョン

紅茶の元祖ともいわれる、正山小種をもとに作られました。

茶葉の特長は、松葉の煙で燻しているフレーバティーなので、強烈なスモーキーさがあります。


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雲南省(雲南紅茶)

プーアル茶が有名の雲南省だが、紅茶も作っています。

茶葉の特徴は、アッサムに似ており、アッサムよりも渋みが少なく、あっさりしています。


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日本

「和紅茶」や「地紅茶」とも呼ばれ、埼玉、静岡、岐阜、奈良、佐賀、熊本、大分、鹿児島で、生産されています。

「やぶきた」などの緑茶用品種と、「べにひかり」「べにかおり」「べにふうき」などの紅茶用品種から、作られています。

埼玉(狭山紅茶)

緑茶の名産地、狭山など地域です。

渋みが少なく、水色は明るめです。

ちなみに「やぶきた」から作られています。


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静岡

緑茶の生産量日本一の静岡でも作られています。

渋みが少なく、水色は明るめです。

ちなみに「やぶきた」から作られています。


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三重(亀山紅茶)

渋みが少なく、水色は鮮やかです。

ちなみに「べにほまれ」から作られています。


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奈良

渋みが少なく、水色は明るめです。

ちなみに「やぶきた」から作られています。


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鹿児島

渋みは少なく、水色は鮮やかです。

ちなみに「べにふうき」から作られています。


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インドネシア

ジャワ島とスマトラ島で生産されています。

ジャワ

スリランカと気候が似ており、ルフナに近い紅茶です。
マイルドな味わいで、個性が強くないため、ブレンド用として使用されます。


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ネパール

インドのダージリンに近い地域です。

茶葉の特徴は、ダージリンに似ています。

近年、人気が高まってきており、注目が集まっています。


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ケニア

茶葉の特徴は、水色が鮮やかで、コクがあります。


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タンザニア

茶葉の特徴は、水色が鮮やかで、渋みは少なめで、まろやかな味わいです。


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ベトナム、バングラデシュ、トルコでも取れます。

 

インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキームンを、世界三大紅茶と呼ぶ。
産地に適した品種が栽培されているが、産地ならではの特徴が、茶葉に現れてくる。

 

今回は、「産地」を中心に、紅茶の茶葉の種類について、まとめました。

茶葉を購入するときに、産地を確認することは重要ですが、それだけではありません。

産地だけでは分類できない紅茶の世界

紅茶の名前をみれば、産地だけで分類されていないことが、すぐにわかります。

例えば、

があります。

紅茶の世界には奥深いです。

 

紅茶の茶葉は、ワインと同じように、良い年があったり、まずまずの年があったりします。
同じ茶園であっても、去年の味と全く違うことも、多々あります。
なので、その茶葉との出会いは「一期一会」となっています。

紅茶ベアー

出会いに感謝しながら、茶葉を選ぼう!

 

以上、『紅茶の茶葉の種類について知る【できるだけわかりやすく解説】』でした。