紅茶ベアーです。
美味しい紅茶に出会うため、日々活動中しています。
紅茶の世界には、茶葉に等級があります。BOP、FTGFOP1などと表記されますが、もはや、暗号に近い存在です。
この暗号を解くために、本記事では、紅茶の茶葉の等級について、できるだけ詳しく解説しています。
あなたの疑問も、解消すること間違いなし!
等級(グレード)と聞くと・・・
一般的に、「等級」と聞くと、社長がいて、部長がいて、課長がいて、平社員がいるような、会社の組織(ピラミッド構造)を思い浮かべる人が多いかもしれません。
紅茶の世界では、「(茶葉)の等級」は、クラス分けの近いかもしれません。ただ、クラス分けといっても、ランダムに分けていません。
例をあげると、身長を、140〜149cmはA組、150〜159cmはB組、160〜169cmはC組、170〜179cmはD組といったように、高いもの順(背の順)に、クラス分けをしています。
紅茶の世界でいう、茶葉の等級とは?
紅茶の世界でいう、茶葉の等級(グレード)は、味や品質の良し悪しではなく、茶葉の大きさ(形状)によって分類されています。
今のところ、国際的に統一された規格はありません。なので、インドの等級や、スリランカの等級、中国の等級があったりします。
なぜ、等級があるのか?
ポイントは、なぜ、大きさによって分類しているのか?という点です。そこから考えると、一つの理由が見えてきます。
まず、「大きな茶葉は、抽出時間が長く、細かくなればなるほど、抽出時間は短くなる」ということを知っておく必要があります。
紅茶を美味しく淹れるコツの一つに「抽出時間」があります。
大きな茶葉には、大きな茶葉なりの最適な抽出時間があり、小さな茶葉には、小さな茶葉なりの最適な抽出時間があります。
単純に、大きな茶葉と小さな茶葉が混ざった紅茶を美味しく淹れるには、最適な抽出時間の算出が難しくなります。真ん中を取るのも微妙だし、片側に合わせるのも、もう片方の良さを消してしまう可能性があります。
同じような大きさのものを集めれば、同じような抽出時間で淹れることができます。茶葉が、最高のパフォーマンスを発揮することによって、最高の味が実現できます。
なので、等級は、紅茶を美味しく淹れるために、誕生した技術だと感じています。
最高の味を届けるために、「等級」は、誕生したと感じています。
実際に、販売されている茶葉をもとに、茶葉の等級を見ていきます。
BOP、FTGFOP1は、もはや暗号にしか見えない!
BOPは、Broken Orange Pekoeの略で、ブロークン・オレンジ・ペコーと読みます。
訳すと、「砕けた、オレンジペコー」です。
FTGFOP1は、Fine Tippy Golden Flowery Orange Pekoe 1の略で、ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー・ワンと読みます。
訳すと、「かなり良い、ゴールデンティップを多く含んだ、フラワリーオレンジペコー」です。
ほとんどの場合が、茶葉の大きさの目安なので、神経質になる必要ありません。
まずは、BOPから紐解いて行きます。
オレンジペコーって、何なの?
人間にも、頭、顔、胸、腹、腰というように、体の各部位に、名前が付けられています。
茶葉にも、FOP、OP、P、PS、Sというように、葉の各部位に、名前が付けられています。
表記 | 名前 | 位置 | 葉の大きさ |
---|---|---|---|
FOP | フラワリーオレンジペコー | 1番先端の芯芽 | 小さい |
OP | オレンジペコー | 先端から2番目の葉 | ∧ |
P | ペコー | 先端から3番目の葉 | ∧ |
PS | ペコースーチョン | 先端から4番目の葉 | ∧ |
S | スーチョン | 先端から5番目の葉 | 大きい |
なので、OP(オレンジペコー)とは、先端から2番目の葉のことです。
ちなみに、葉の大きさは、先端から遠ざかるほど、大きくなっています。
オレンジペコーとは、先端から2番目の葉のことです。
ブロークンって、何なの?
茶葉もカットしたり、ふるいにかけたりすることによって、細かくなります。
名前 | 葉の大きさ | |
---|---|---|
フルリーフ | そのまま | |
B | ブロークン | 細かく |
F | ファニングス | さらに細かく |
D | ダスト | 粉状 |
厄介なのは、つける場所です。全ての名称の、「BOP」のように、前につけてくれれば良かったのですが、後ろにつく場合もあります。
それだけでなく、「BOPF」のように、前後についているものもあります。
さらに、追い打ちをかけたのが、「F」が、フラワリー、ファニングスの他に、ファインという意味をもつ場合もあるのです。
何を表しているのかを知りたければ、何を略しているのかを考えて、読んでみよう!
次に、FTGFOP1を紐解いていきます。
FTGFOP1は、3つに分けて考える
FTGFOP1は、Fine Tippy Golden Flowery Orange Pekoe 1の略で、ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー・ワンと読みます。
FTGFOP1は、「FTG」「FOP」「1」の3つに分けて考えます。
「FTG」は、ファイン・ティッピー・ゴールデンで、どれくらいゴールデンティップを含んでいるかということを表しています。
単純に、FOP < GFOP < TGFOP < FTGFOP <SFTGFOPの順で、ゴールデンティップの量が多くなります。
「FOP」は、フラワリー・オレンジ・ペコーで、1番先端の芯芽のことです。
「1」は、特に優れたものを表す、強調する言葉です。
なので、FTGFOP1を訳すと、「かなり良い、ゴールデンティップを多く含んだ、フラワリーオレンジペコー」となります。
訳すと、「かなり良い、ゴールデンティップを多く含んだ、フラワリーオレンジペコー」となります。
ゴールデンティップ、シルバーティップって何だ?
1番先端の芯芽(FOP)の茶葉の中には、芯芽の表面が黄金色に輝いたものや、芯芽の表面の産毛が銀色に輝いたものが含まれていることがあります。
黄金に輝いたものを、ゴールデンティップと呼び、銀色に輝いたものをシルバーティップと呼んでいます。
美しい色もさることながら、ゴールデンティップ、シルバーティップを多く含む、紅茶は美味しいとされています。
CTCと書かれた茶葉も細かいのですが・・・
※CTCとは、Crush Tear Curlの略です
CTC機によって、茶葉は、押しつぶされ、引き裂かれ、ひねり丸められるので、細かくなります。
なので、多くは、ティーバック(ティーパック)用、ブレンド用に、使われています。
表記 | 名称 | 葉の大きさ |
---|---|---|
BP | ブロークン・ペコー | ブロークン内では、大きい |
BOP | ブロークン・オレンジ・ペコー | ブロークン内では、小さい |
PF | ペコー・ファニングス | ブロークン内では、より小さい |
PD | ペコー・ダスト | ブロークン内では、最も小さい |
CTC製法によって作られた茶葉は、等級としては含めない、特殊な位置付けとなっています。
ただし、CTC製法によって作られた茶葉のみで、独自の等級を設け、分類されることもあります。
最後に
紅茶の茶葉の等級は、基本には、大きさごとに分かれています。
表記を見てみると、ゴールデンティップの量が多かったり、優れた品質だということがわかる場合もあります。
今のところ、国際的に統一された規格ではないので、あくまで目安にした方が良いでしょう!
大きさを表す等級と、品質を表す等級を分けたい・・・